自分は月に一回来てるから平気だと思い込んでいませんか?
じつは月に一回来ても周期の変動が7日以上だと生理不順なのですよ。
生理はホルモンの複雑なネットワークによって起こり、とてもデリケートなものです。
外的または内的な環境により簡単に影響を受けてしまいます。
生理不順の原因となる代表的なものをあげておきます。
生理不順でもそれぞれの原因によって全く治療法が異なります。ますは原因を突き止めることが大切です。
場合によっては低用量ピルなどのホルモン剤を使用し生理を調整することもあります。
ただちに日常生活に支障がでることはないですが放置しないで診察を受けていただくことをおすすめします。
もっとも女性を悩ませるもののひとつです。多かれ少なかれほとんどの方に生理痛があります。
通常は痛み止めで対処できますが、痛みで日常生活に支障があり、痛み止めを内服してもなかなか効かないような病的な状態を月経困難症といいます。生理痛が強い方は、将来子宮内膜症になる確率が高いとの報告がありますので、我慢せずに受診されることをおすすめします。
下腹部痛・腰痛・吐き気・頭痛・お腹の張り・精神症状・食欲低下・下痢など月経困難症には大きく分けて二つに分かれます。
子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症(子宮内膜症のひとつ)・子宮奇形などの病変を伴うもの
【治療】
低用量ピルを含めたホルモン療法や漢方療法を併用しつつ、根本的には原因疾患を治療
生理以外の時に性器から出血することをいいます。出血の場所は膣・子宮頚管(子宮の入り口)・子宮体部、時には外陰部・尿道・肛門などからです。中間期出血(排卵の時期に出血するもの)など病気ではないものもありますが、中には重大な病気が隠れていることもあります。
新しい出血は赤いですが、時間が経つと茶色になったり、黄色のこともあります。
黄色おりものがいつもより増えるようでしたら注意が必要です。
①ホルモン異常
生理をコントロールする、卵巣や脳からのホルモンバランスが不安定なもの中間期出血(排卵期出血)のように生理的な出血もあります。
②炎症
細菌の感染による膣や子宮の炎症
若い方にはクラミジア感染症や淋病が多いです。
閉経後の方には萎縮性膣炎は多いです。
③良性の腫瘍
ポリープ(子宮にできる良性のできもの)
子宮筋腫など
④子宮膣部びらん
子宮の入り口部分のただれです。
若い人のようにホルモンの影響で起こるとこともありますが、中にはクラミジア菌や淋菌などの子宮頸がんの初期など放っておけないものも存在します。
⑤妊娠
いつもの時期に生理がきたものの量が少なかった、実は妊娠していた、生理が遅れて出血してただの生理不順だと思っていたら流産していた、ということもよくあります。
⑥尿道や肛門からの出血
ナプキンやトイレの便器に出血があっもどこからの出血か分からないとこもしばしばです。
⑦悪性腫瘍
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣腫瘍、膣がん
このようにいろいろな原因で不正出血はおこります。まず原因の病気を治療。
ホルモンが原因ならピルによってバランスを整えることもあります
子宮の筋肉にできた良性の腫瘍です。けっして珍しいものではなく、30歳以上の女性の20~30%に見られます。卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなりますが、閉経すると小さくなります。症状がないことが多いですが、症状がある場合には治療が必要になることがあります。
子宮筋腫の症状はできる場所と大きさによって決まります。
小さくても子宮の内膜に近ければ出血が多くなります、逆に大きくても子宮の外側にできれば症状が出ません。
【主な症状】
大きくなって周囲を圧迫すると、腹痛・腰痛・頻尿なども、時には不妊症や流産の原因になることも
3つのパターンがあります。
①経過観察
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、症状がなければ治療の必要性はありませんただし、現在症状がなくても大きくなり将来症状が出てくることもありますので、定期的に検診は受けた方が良いでしょう
②薬物療法
できた子宮筋腫が消えることはありませんが、症状を改善させることが期待できます。子宮筋腫は女性ホルモンに影響を受けるためホルモンによる治療が主体です。
(生理を一時的に止める)副作用予防のため半年間まで
(生理の量を少なくする)現在の症状の改善
③手術療法
ホルモン剤によっても効果が得られない場合、または効果を期待できない場合には手術が必要です。
時には重度の貧血で緊急を要する場合もあります。
薬を飲んでもなかなか生理痛が良くならない方は要注意です。
子宮の内側を覆っている膜を子宮内膜といい、生理の時に剥がれ落ち出血とともに排出されます。
ところが、本来あるべきでない子宮以外の場所で発生し、発育してしまい様々な症状を引き起こします。
子宮内膜症はホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖・出血をして、炎症を起こし周囲の癒着や痛みを起こしたりします。
主な症状は「月経痛」「不妊」です。
ひどくなると月経以外にも「下腹部痛」「腰痛」「排便痛」「性交痛」があります。
妊娠を希望される内膜症の方の約30%に不妊があるといわれています。
卵巣や骨盤の中が主な場所です。稀ですが肺や腸にもできることがあります。
卵巣にできて出血が溜まり腫れたものをチョコレート嚢腫(のうしゅ)といいます。
稀ですがチョコレート嚢腫に癌を合併することがあり、年齢とともに確率は上昇します。
薬物療法と手術療法があります。
①薬物療法
ホルモン療法:低用量ピルやその他のホルモン剤により女性ホルモンの分泌を抑えたり、直接卵巣に作用させ、症状を緩和させます。
②手術療法
卵巣のチョコレート嚢腫のように卵巣がはっきりしてる場合には手術が考慮されます。
どうしても生理と当たりたくない用事ができることがあります。そんな時、女性ホルモン剤を使って生理の日程が調節ができます。通常は内服終了後2~3日ぐらいで出血が起こります。
生理不順の方:整理を遅らせる方法が望ましい
用事がある8~10日前より生理調節用ホルモン剤を内服し、遅れさせたい日まで続けます。
ただし、内服開始2~3日で本来の生理がきたら中止します(この場合、結果的には用事にあたりません)
*低用量ピルを内服中の方
【副作用】
悪心・胃部不快感・頭痛・倦怠感・不正出血などが起こることがあります。
たいていの場合は2~3日で消失しますが、どうしても体調がすぐれない方は中止してもらいます。