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子宮頸がん検診について

子宮頸がんは若い世代に増えています。年に1回は検診を受けることをおすすめします。

どんなことをするの?

内診をして子宮の入り口(子宮頸部)を専用の器具で擦り、細胞を摂ります。これを検査会社に提出し、専門の細胞専門医が診断をおこないます。(細胞診)検査自体は痛みはなく、外来で簡単に済みます。検査結果 は約1週間で出ます。
重要な事なので必ず結果をお聞きください。 

検査結果について

細胞診で得られた結果は国際的な基準(ベセスダシステム)によって以下のように判定されます。  

子宮頸がんの診断基準「ペセスダシステム」

結果NILMASC-USASC-HLSILHSILSCC
日本語の意味陰性意義不明な異型扁平上皮細胞HSILを除外できない異型扁平上皮細胞軽度扁平上皮内病変高度扁平上皮内病変扁平上皮がん
推定される顕微鏡レベルの異常腫瘍性の異常はない。炎症のある時
がある
軽い扁平上皮内病変の疑い高度の扁平上皮内病変の疑いHPV※感染軽度異形成中等度異形成~微少浸潤がんの疑い扁平上皮がん

検査の流れ

NILM ⇒ 通常の毎年の検診

ASC-US⇒HPV(ヒトパピローマウイルス)検査

陰性 … 数ヶ月後 再度細胞診

陽性 … 組織検査

LSIL ⇒ 組織検査

ASC-ᕼ ⇒ 組織検査

HSIL ⇒ 組織検査

SCC ⇒ 組織検査

組織検査が必要になったら:専門の病院に紹介します

組織診とは特殊な器具を使って、子宮頸部の組織の一部を採取してさらに精密に検査をします。
当院では必要に応じ希望の病院へ紹介いたします。

子宮頸がんとは

子宮の入り口部分を「子宮頸部」子宮の奥の部分を「子宮体部」と いいます。子宮頸部にできたがんを子宮頸がん、子宮体部に出来たがんを子宮体がんといいます。子宮頸がんは以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は 20~30歳代の若い女性に増えています。毎年約一万人の女性が子 宮頸がんにかかり、約3000人の方が亡くなられています。

子宮頸がんワクチンは無料です。

原因は?

子宮頸がんのほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染が原因と言われてい ます。皮膚や粘膜に存在するありふれたウイルスで男性にも女性にも感染します。性的接触により子宮に感染し、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染の機会があると言われています。感染しても90%の人は免疫の力で自然排除されますが、一部の方は感染が長時間持続し、異形成という前がん病変部を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。

症状は?

初期の段階ではほとんどが無症状ですが進行してくると
  • 月経時以外の不正出血
  • 性交時の出血
  • おりもの
  • 下腹部痛
などが出てくることがあります。

予防は?

  • 子宮頸がん検査
    まずは早期発見早期治療です。毎年の検診がおすすめです(個別検診は市町村によっては2年に一度です)
  • HPV(ヒトパピローマウイルス)検査
    持続感染すると子宮頸がんのリスクが高くなります。
  • 子宮頸がん予防ワクチンの接種
    子宮頸がんはがんの中で唯一ワクチンで予防できるがんです。(現在積極的な勧奨は控えられています) 

子宮頸がんウイルス検査(HPV)

子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。性交によって子宮頸部に感染します。性交渉の経験のある男性・女性のうち50~80%はHPVに感染 していると言われています。HPVが感染してから子宮頸がんの進行するまでの期間は、数年から数十年とされています。HPVは何種類もあり、特に発がん性の強い型の検査をします。

検査方法

子宮がん検診と同じで、子宮頸部(子宮の入り口)を綿棒のような器具で擦り、細胞を採 取します。痛みはありません。

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン) 

発がん性HPVの中で特にHPV16型、HPV18型は子宮頸がんへ進行する頻度が高く、スピードも 早いと言われています。 HPV16型・HPV18型の感染はHPVワクチンによって防ぐことができます。しかしワクチンは HPVの感染を予防するもので、すでに感染している細胞からHPVを排除する効果は認められません。したがって、性交渉を経験する前に接種をすることが最も効果的です。

ワクチンの種類

  • サーバリックス(二価):
    HPV16型・HPV18型に対するワクチン

  • ガーダシル(四価):
    HPV16型・HPV18型およびHPV6型・HPV11型(良性の尖圭コンジロー マ)に対するワクチン

接種スケジュール:事前にご予約下さい。 

  • 定期接種:
    小学6年生~高校1年生(標準的には中学1年生) 
  • 任意接種:
    サーバリックス:10歳~45歳位まで
    ガーダシル:9歳~45歳位まで 

接種回数:両ワクチン共通:合計3回

子宮体がん

子宮の奥の方(子宮体部)に発生するガンを子宮体がんといいます。
日本の成人女性に増えてきているガンのひとつです。 

どんな症状?

不正出血が主な症状です。子宮頸がんに比べ、子宮体がんになる年齢は比較的 高齢であるため、閉経後や更年期で不正出血があった場合には注意が必要です。また、閉経前で も月経不順、乳がんの既往の方も注意が必要です。

子宮体がんのリスク

子宮体がんの発生にはエストロゲンという女性ホルモンが深く関わっています。 エストロゲンは子宮内膜の発育を促す作用があり、エストロゲンの値が高い方では子宮体がんの リスクが高いと言われています。またエストロゲンとは関係なく、子宮体がんに関連する遺伝子 の異常によって発生することがあり、比較的高齢者に多いとされています。

  • 出産経験がない方
  • 肥満
  • 月経不順
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 近親者の乳がん・大腸がん 

子宮体がんの検診について

子宮頸がん同様に、外来で行ないます。子宮の奥に棒状の器具を挿入して細胞を採取して検査に出 します。また何らかの理由で器具が子宮の奥に入りづらい場合には、超音波検査によって子宮の 内膜の厚さを測って判断することもあります。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍とは

卵巣は子宮の左右の両脇にあります。通常は2~3cmほどですが、ここに発生した腫瘍を卵巣腫瘍 といいます。卵巣腫瘍は袋状に腫れることが多いので卵巣嚢腫と呼ばれることもあります。 腫瘍の性質から、良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍(卵巣がん)となります。

症状は?

腫瘍が小さいうちは無症状です。 大きくなり周囲を圧迫してくると、腹部の張り、下腹部痛、頻尿がみられます。まれですが、腫瘍 が捻れてしまったり(茎捻転)、あるいは破裂してしまったりすると突然の強い下腹部痛が出現することもあります。

検査は

卵巣腫瘍の診断はお腹の中にある臓器のため、いくつかの検査の組み合わせによって行われま す。一般に外来での内診と超音波により腫瘍があるかないか判断します。詳しく検査の必要がある場合には、腫瘍マーカーという血液検査やCTやMRIなどを行います。 最終的に手術が必要となった場合には病理組織診断で直接組織を検査します。